2025-07-18
OB(五三会)
建築デザイン学科では、毎年卒業生を講師としてお迎えし、就職活動や建築業界の実情について学ぶ「チャレンジアップセミナー」を開催しています。今年度も多彩な分野で活躍する4名の卒業生を迎え、在学生に向けて貴重な体験談やアドバイスを語っていただきました。
■概要
日時:2025年7月18日(金)13:15–14:55
場所:三宅の森 Nexus21 デネブホール
対象:建築デザイン学科1〜3年生 約300名
主催:建築デザイン学科
協力:建築・環境系学科同窓会「五三会」、学生部会「匠会」
■登壇者(敬称略)
・佐藤 孝志(2002年卒/広島県土木建築局 営繕課 新病院整備グループ 主査)
・田村 ことば(2018年卒/ドヒハウス株式会社)
・藤 孝紘(2019年卒/広島電鉄株式会社 不動産事業本部 不動産営業部 開発課)
・中川 祐輔(2021年卒/株式会社K構造研究所)
登壇者紹介
今年度は、行政・住宅メーカー・不動産開発・構造設計と、幅広い分野で活躍する卒業生4名にご登壇いただきました。それぞれの立場から、現在の仕事内容や仕事に携わる上でのやりがい、学生時代の経験がどう活かされているかを紹介していただきました。
佐藤 孝志 氏(2002年卒/広島県土木建築局 営繕課 新病院整備グループ 主査)
広島県の県有病院を対象に、企画・設計・施工のマネジメントを担当されています。大規模で公共性の高い建築を扱う中で、行政の立場から建築の質や安全性を支える役割について紹介していただきました。
田村 ことば 氏(2018年卒/ドヒハウス株式会社 設計部)
設計部に所属し、確認申請業務や打ち合わせ図面の作成などを担当されています。住宅メーカーならではの設計プロセスや、施主とのやり取りを通して学んだことを具体的に語ってくださいました。
藤 孝紘 氏(2019年卒/広島電鉄株式会社 不動産事業本部 不動産営業部 開発課)
自社が所有する土地や建物の開発に携わり、都市づくりや地域の発展に関わる仕事をされています。鉄道会社ならではの不動産開発の特色や、まちと建築の関わりについて紹介していただきました。
中川 祐輔 氏(2021年卒/株式会社K構造研究所 意匠設計部)
公共建築物(学校、公民館、消防署、認定こども園など)の新築や改修をはじめ、事務所、ホテル、福祉施設といった民間建築物の設計にも携わっておられます。幅広い案件を経験される中で、設計者としての視点や心構えについてお話しいただきました。
卒業生による多彩なキャリア紹介
講演では、現在携わっている業務の紹介にとどまらず、就職活動での体験談や学生時代に身につけた力がどのように役立っているかについてもお話しいただきました。専門的な知識や技術だけでなく、課題への取り組み方や仲間との協働といった経験が、社会に出てからも大きな財産になることを強調されていました。
それぞれの職場や業務内容は異なりますが、共通して伝わってきたのは「学生時代の学びは必ず将来につながる」というメッセージです。いずれのお話も、建築業界の多様なキャリアの広がりを感じさせるものであり、参加した学生にとって将来の進路を考える上で大きな示唆を与えるものとなりました。
質疑応答
セミナーの後半には、学生から登壇者へ質問する時間が設けられました。就職活動の進め方や社会人として求められる姿勢など、関心の高いテーマについて質問があり、登壇者の方々は、自身の経験を踏まえて丁寧に答えてくださりました。「失敗を恐れず挑戦してみること」、「社会に出てからも学び続ける姿勢を大切にしてほしい」といったメッセージは、参加した学生にとって大きな励みとなりました。
実務でのリアルな体験談を聞くことで、学生たちは自分の将来像をより具体的に描くきっかけを得られたと思います。
学生の声(アンケート・感想)
セミナー後の学生アンケートでは、登壇者の講演から多くの学びが寄せられました。
佐藤さんのお話では、土木の仕事が人々の生活を支える重要な役割を果たしていることや、災害対応・行政的な建築の役割について知り、さらにキャリアの多様な選択肢や挑戦する姿勢に触れて、自分の将来を考えるきっかけになったとの声が目立ちました。田村さんのお話では、住まい手の暮らしや価値観を丁寧に読み取り設計に生かす姿勢や、確認申請といった実務の重要性について学び、「建築は多様な人の協力で成り立っていることを改めて実感した」という感想が寄せられました。藤さんのお話では、広島電鉄が単なる交通インフラではなく、まちづくりや地域活性化に深く関わっていることが紹介され、交通と不動産の一体的な取り組みが都市の魅力を高めるという視点に強く共感する声がありました。中川さんのお話では、設計事務所の業務の流れを知ることができ、図面の緻密さや計画の考え方に触れて「自分もいつかこのレベルの設計ができるようになりたい」と刺激を受けた学生が多くいました。
このように、どの講演も学生にとって実務や社会とのつながりを考える大きな刺激となり、学びを深める貴重な機会となりました。
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