第四十九回 五三会建築設計競技 審査員 安部 良
「 未 来 の 広 場 」
被爆建物として現存する国内最大級の煉瓦建物「旧広島陸軍被服支廠」。
歴史を語り継ぐ「遺構」を題材に、時代とともに求められ変化する公共の場を
みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
第四十九回 五三会建築設計競技 審査員 安部 良
「 未 来 の 広 場 」
被爆建物として現存する国内最大級の煉瓦建物「旧広島陸軍被服支廠」。
歴史を語り継ぐ「遺構」を題材に、時代とともに求められ変化する公共の場を
みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
テ ー マ
広島は第二次世界大戦で人類史上初の原爆を経験し、爆心地周辺は丹下健三が設計した平和記念公園を中心とした復興計画が立てられました。平和記念公園には今でも広島市民に限らず世界各国からの来場者が訪れ、平和を願う人々の心の拠り所であり続けています。丹下が目指していたものは、単なる安らぎの公園ではなく、公共の場面として開かれた「建築広場」であったと考えます。
人々が旅を楽しみ、SNSやインターネットの普及などにより世界中の人と人とがさらに繋がり、国を超えた様々な交流が盛んになっていた頃、新型コロナウイルスによるパンデミックによって、密な集会の禁止、県域や国境を跨いでの移動の禁止、隔離等、私たちは再び様々な領域やボーダーの存在を痛感することになりました。
オンラインでの仕事や交流が一般化し、地方への関心は高まり、都市においては生活の場面としての公園や広場の可能性が見直され始めています。この間の変化は著しく、人と人との繋がりはさらに多様化し、それにともない「公共」の場のあり方も変化が求められています。
広島では、これまで積極的な利用がされていなかった被爆建物である「旧広島陸軍被服支廠」を今後どのように利活用していくべきか、その方向性が話し合われています。歴史を語り継ぐ「遺構」を題材に、時代とともに求められ変化する公共の場をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。「旧広島陸軍被服支廠」の建物や敷地の積極的な利活用、またはそれら含んだ近隣地域に対する提案を通して、新しい公共の場面として「未来の広場」を表現してください。
人と人との関わり方や接し方、距離の取り方などを再定義するようなこれからの公共空間の提案、変わらない「遺構」と変化が求められる「公共」の両立の提案、仮設的・インフィル的な思考で遺構の中に公共の場をつくり出す提案、反戦・反核・復興・祝祭の場としての在り方の提案、次世代を育てる文化芸術教育拠点としての提案、多様性やインクルーシブを実現する周辺地域や都市全体に対する提案、都市的、歴史的な大きな視点で場所を再読するような提案等、各自、自由なテーマ設定で取り組んでください。
建築的な眼差しで「遺構」の空間的な魅力や可能性を引き出す提案を期待しています。
広島は第二次世界大戦で人類史上初の原爆を経験し、爆心地周辺は丹下健三が設計した平和記念公園を中心とした復興計画が立てられました。平和記念公園には今でも広島市民に限らず世界各国からの来場者が訪れ、平和を願う人々の心の拠り所であり続けています。丹下が目指していたものは、単なる安らぎの公園ではなく、公共の場面として開かれた「建築広場」であったと考えます。
人々が旅を楽しみ、SNSやインターネットの普及などにより世界中の人と人とがさらに繋がり、国を超えた様々な交流が盛んになっていた頃、新型コロナウイルスによるパンデミックによって、密な集会の禁止、県域や国境を跨いでの移動の禁止、隔離等、私たちは再び様々な領域やボーダーの存在を痛感することになりました。
オンラインでの仕事や交流が一般化し、地方への関心は高まり、都市においては生活の場面としての公園や広場の可能性が見直され始めています。この間の変化は著しく、人と人との繋がりはさらに多様化し、それにともない「公共」の場のあり方も変化が求められています。
広島では、これまで積極的な利用がされていなかった被爆建物である「旧広島陸軍被服支廠」を今後どのように利活用していくべきか、その方向性が話し合われています。歴史を語り継ぐ「遺構」を題材に、時代とともに求められ変化する公共の場をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。「旧広島陸軍被服支廠」の建物や敷地の積極的な利活用、またはそれら含んだ近隣地域に対する提案を通して、新しい公共の場面として「未来の広場」を表現してください。
人と人との関わり方や接し方、距離の取り方などを再定義するようなこれからの公共空間の提案、変わらない「遺構」と変化が求められる「公共」の両立の提案、仮設的・インフィル的な思考で遺構の中に公共の場をつくり出す提案、反戦・反核・復興・祝祭の場としての在り方の提案、次世代を育てる文化芸術教育拠点としての提案、多様性やインクルーシブを実現する周辺地域や都市全体に対する提案、都市的、歴史的な大きな視点で場所を再読するような提案等、各自、自由なテーマ設定で取り組んでください。
建築的な眼差しで「遺構」の空間的な魅力や可能性を引き出す提案を期待しています。
審査員 安部 良
1966 広島県生まれ
1992 早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻 修士課程修了
1995- 一級建築士事務所安部良アトリエ 主宰
2020- 総務省地域カ創造アドバイザー
<主な受賞歴> 2021年日本建築学会賞(作品)受賞
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